歯周形成外科
歯周形成外科

重度歯周病のメンテナンスを日常的に行ってきた経験をもとに、その場の見た目改善だけでなく、将来的にトラブルが起こりにくい状態を目指した治療計画を立てています。
歯ぐきの形だけで判断せず、歯周ポケットの深さ、歯槽骨の状態、歯ぐきの厚み、清掃性、補綴後の安定性まで含めて評価します。
他院で抜歯が必要と判断された歯でも、歯周外科や前処置によって本当に保存が不可能なのかを慎重に検討します。残せる可能性があれば、その選択肢も含めてご説明します。
再生療法・切除療法・クラウンレングスニングを単独で考えるのではなく、症例ごとの目的に応じて組み合わせることで、より安定した結果を目指します。
外科処置を前提とするのではなく、患者さんの状態・ご希望・生活背景を踏まえたうえで、本当に必要な治療をご提案しています。
審美性だけでなく、治療後に炎症や後戻りが起こりにくい、長期的に安定した歯ぐきの状態をゴールとしています。
歯周形成外科(ししゅうけいせいげか)は、歯ぐき(歯肉)や歯を支える周囲の組織の形・厚み・位置を整える外科治療です。歯ぐきの下がりやラインの乱れなど、見た目の回復を目的として行うことも多く、それと同時に
といった機能面の改善・長期安定を目指して行います。見た目と機能のどちらか一方ではなく、両立させることが歯周形成外科の大きな役割です。
歯肉退縮や歯周組織のトラブルの原因は1つとは限らず、歯周病、ブラッシング圧、歯の位置、歯ぐきの体質、噛み合わせ、喫煙などが複合的に関与していることが多くあります。そのため当院では、「すぐに手術をするかどうか」ではなく、まず原因を見極め、再発しにくい環境を整えることを重視しています。その上で、必要と判断した場合に歯周形成外科をご提案します。
歯周形成外科は、単一の手術名で選ぶものではなく、「何を改善したいのか」「どこをゴールにするのか」によって治療法を選択します。
当院では、大きく次の考え方に分けて整理しています。
歯ぐきの幅や厚み(量と質)を確保し、炎症や退縮が起きにくい、安定した歯周環境をつくる治療です。
といったケースで重要な役割を果たします。
下がって露出した歯の根を、歯ぐきを移動・補強することで可能な範囲まで覆う治療です。
を同時に目指せるのが特徴です。
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯槽骨や歯周組織の回復を目的とした外科治療です。症例によっては、歯ぐきの厚みや安定性を高める目的で、CTG(結合組織移植)などの歯周形成外科を併用することもあります。
再生療法により、
・抜歯を回避できる可能性が広がる
・歯の支持組織を回復し、長期的な安定が期待できる
といったメリットがあります。ただし、すべての症例で再生が可能なわけではありません。欠損形態、清掃状態、喫煙などにより、適応外となるケースもあります。
歯周ポケットを整える切除療法は、深くなった歯周ポケットを浅くし、清掃しやすい歯ぐきの形態をつくる外科治療です。歯周病が進行すると、歯ぐきの中に深いポケットが形成され、歯ブラシや治療器具が届かず、炎症を繰り返しやすい状態になります。
切除療法では、歯ぐきや骨の形を整えることで
・歯周ポケットの改善
・炎症の再発リスクの低減
・長期的な安定性の確保
を目的とします。
またこの治療は、歯の見える長さ(歯冠長)を確保する治療でもあり、被せ物(クラウン)やブリッジ治療を行う前の補綴前処置(クラウンレングスニング的処置)として行われることもあります。
特に、
・被せ物が歯ぐきの中で外れてしまった
・むし歯が歯ぐきの奥まで及んでいる
・適切な被せ物の境目が作れない
といったケースでは、治療の精度や予後を左右する重要な工程になります。
また、「もう残せないと言われた歯」でも、歯周ポケットや歯ぐき・骨の形を整えることで、条件次第では保存できる可能性が広がる場合があります。当院では、再生療法が適さない症例や、清掃性・安定性を優先すべきケースにおいて、歯をできるだけ長く使うための選択肢として切除療法を慎重に適応しています。
CTG(結合組織移植)
上あごの内側などから結合組織を採取し、必要部位に移植します。
FGG(遊離歯肉移植)
どちらを選択するかは、退縮の程度・歯ぐきの厚み・角化歯肉の幅・歯の位置・清掃性・審美の優先度を総合的に判断します。
歯ぐきの下がりに対して、歯肉を移動し歯の根を覆う外科治療です。
「どこまで戻せるか」は条件によって異なるため、事前に到達可能な目標を丁寧に共有することを重視しています。
歯ぐきや歯槽骨の位置を調整し、歯の見える長さと歯周環境を適切に整える外科治療です。
といった場合に行います。クラウンレングスニングは、補綴治療(被せ物・差し歯)を長持ちさせるための重要な前処置でもあります。生物学的幅径を守ることで、炎症が起きにくく、補綴物と歯ぐきが安定した関係を築くことができます。
歯ぐきの被りが主な原因となっているガミースマイルでは、歯周外科によって改善できるケースがあります。歯肉の位置やラインを整えることで、歯と歯ぐきのバランスを調整し、過度な歯肉の露出を抑えます。状態に応じて、
といった方法を選択します。これにより、見た目の改善だけでなく、清掃性や補綴治療の安定性向上も期待できます。
※骨格的要因や上唇の動きが主な原因の場合は、歯周外科のみでは十分な改善が得られず、適応外となることがあります。
手術中は局所麻酔を行うため、強い痛みを感じることはほとんどありません。術後は腫れや違和感が出ることがありますが、多くは数日〜1週間程度で落ち着きます。
表面的な治癒は1〜2週間程度、組織が安定するまでには数ヶ月かかることがあります。治療内容や範囲により異なります。
状態によります。改善が期待できるケースもありますが、必ず完全に元どおりになるわけではありません。事前に「どこまで回復が見込めるか」を説明します。
歯の根が覆われることで、改善するケースは多くあります。ただし、術後一時的にしみやすくなることもあります。
はい。歯ぐきや骨の状態を整えてから行うことで、矯正や被せ物の安定性・長期予後が良くなるケースがあります。治療順序は総合的に判断します。
はい、残せる可能性があるケースは少なくありません。他院で「抜歯が必要」と言われた歯でも、歯周外科治療や歯周組織再生療法、結合組織移植(CTG)などを組み合わせることで、機能的に使い続けられる状態を目指せる場合があります。ただし、すべての歯が残せるわけではありません。当院では、残せるかどうかだけでなく、「残した場合に長く安定するか」まで含めて診査・判断します。
はい、当院では機能の回復と同時に、見た目の自然さも重視しています。特に前歯部では、
などを行い、治療したことが分かりにくい仕上がりを目指します。
保険診療では対応が難しいケースでも、自費治療を選択することで審美性と安定性の両立が可能になる場合があります。
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